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等伯を観に行きました
開場 10 分前から展示会場へ移動
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「先着500名様に限り、砂糖1kg 百円」の行列ではありません。


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チクッとしてみてください。 ..... うーむ、やはり伝わらないですねェ


ジーと観ていると、自分が霧の松林の中に居ることが解ります。

..... 奥に広がる清涼な静けさに鳥肌が立ってしまいます。

..... 僕が霧の向こうへ行ってしまうような錯覚に囚われてしまいます。


・竹鶴図屏風で目を見開いた鶴と眠っている靏、生きてる瞬間の刹那です。
・竹虎図屏風の虎の毛足が見事です。


竹林の描き方が素晴らしい! 墨の黒白だけで、あれだけの奥行き感を出せるものでしょうか? でも、技術的な巧さは全く感じられませんでした。大雑把というか、僕にも真似ができるぐらいのタッチなのですが、それらが組み合わさるもの凄さは尋常ではありません。

野山の葉っぱや石ころを近づいてよく見ると何でもないものばかりですが、それらが織りなす調和の素晴らしさが美しい風景として認識されるような感じ? 神の見技です!

..... 林の中に描かれている葉の中に「あれッ、これ梟じゃない?」と見える形があります。それは真に梟なのであって、それを描いている等伯のウィットというか洒落というか、「絵師の正体を見た」というキャッチフレーズに拍手を贈りたいと思います。

自然の中で野鳥を見つけ出すには、慣れというかコツが必要です。気づかずに通り過ぎる人には何も見えないのですが、じっとして鳥たちは佇んでおり、彼らはちゃんと存在しているのです。それが解るか解らないか ..... 人生も総て斯くのごとくです。

道を求める人、あるステージをクリアした人には簡単に解り見えるものでも、解らない人には永遠に解らない。当に「分かれ目」なのです。

クリムトは日本画の大きな影響を受けたいわれますが、絶対に等伯の真似だと思います。等伯のセンスの良さは抜群で、現代にも通ずところがたくさんあります。


神々しいほどの絵師だったのですね。

あの気配を感じとれる日本人に産まれて、本当に良かったと思います。

話は尽きないのですが ..... 帰りの上野公園では桜が咲いていました。
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東京はもう春ですが、帰着した札幌の雪は、まだ融けそうにありません。

(夫)
by noru_nao | 2010-03-07 08:47 | その他
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