昔の ..... で恐縮ですが 【其の一】
昔のホームページに書いていたことを読み返しました。
「へぇー、こんなこと考えていたんだ」と思わずビックリ! 気に入ったのを少しずつ紹介 ..... しばらくお付き合いください。


葉隠(はがくれ)

 僕のルーツは佐賀県らしい。ほとんどの北海道人がそうであるように、祖父の代に屯田兵として札幌(琴似)に入植したらしい。 
 
 佐賀県は『葉隠』を生んだ鍋島藩であり、『葉隠』には二つのことが書かれている。「武士道といふは死ぬことと見つけたり」と「恋の極意は忍ぶ恋」という悲愴な人生観である。 
 
 「武士道というは死ぬことと見つけたり。別に子細なし。胸にすわって進むなり。毎朝、毎夕改めては死に死に、常住死になりて居る時は自由を得、一生落度なく勤めるものなり」、「武士道は死に狂いなり、気違いになりて死に狂いするまでなり。武道にて分別できれば遅れるなり。忠も孝も要らず、武士道においては死に狂いなり。忠孝はおのずから籠るべし」、「今日、討死、今日討死と必死の覚悟を極めれば一生賎しき振る舞いあるべきや、よくよく工夫つかまるべきことなり。何事も成らぬということはなし。一念起こると成らぬということはなし。天地を動かすというもただ一心のことなり」 
 
 「葉隠」は秘本扱い、秘密の書である。葉隠の冒頭に「この始終一一巻、追って火中にすべし、世上の批判、諸氏の邪正推量風俗まで、ただ自分の後学に覚えおり候とて、話のままに書き付け候へば、他見の末にては遺恨悪事も出づべく候、堅く火中に仕り由、御申し候也」とあり、燃やしてしまえと述べている。 
 
 葉隠は江戸時代にも公然と語られることはなく否定された本である。江戸時代に否定された本が昭和の時代に復活し、日本国民に多大の犠牲を強いる本となったのは残念なことである。(為政者によって『憂国の士』の魂とされ、多くの兵隊が戦場に駆り出された) 
 
 興味があれば、ルース・ベネディクトというアメリカのおばさんが書いた『菊と刀』を読むことをお薦めする。アメリカが対日戦のバイブルとした本で、この本のおかげでアメリカの占領戦略が最低限ですんだと僕は思っている。(勿論「菊」は天皇、「刀」は武士道を意味する) 
 
 さて、「恋の至極は忍ぶ恋(しのぶこい)と見立て候。一生忍んで思い死にすることこそ恋の本意なれ」と書かれているのは、本当に好きな人なら「幸せにしますから、結婚してください」などと軽々しく言葉に出すものではない。何が起こるか判らない世の中であり、努力をし尽くしてもその人を不幸にしてしまうことだってある。想いを決して表わすことなく、一生見守ってやることこそ本物の恋だと説いており、ハッピーエンドを迎えることのない日本版シラノ・ド・ベルジュラックである。

…2001/05/30…
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by noru_nao | 2008-10-21 09:21 | 小ネタ | Comments(0)
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